ep.01:地球

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「……。」 綾瀬は終始無言だった。しかし、興味深そうに俺の話を聞いている。 話が終わった今でも、無言のままだ。 思い切って俺は綾瀬に聞いてみた。 俺はどうすればいいんだ? 綾瀬の返答は簡単な物だった。 「私には解らない」と。 ……。 何だよ… 話した意味がないではないか。 「これは私が決める事ではない。 漸、お前が決める事だ。」 そんな事はわかってる。だけど…どうしたらいいんだ? 突如現れた見知らぬ人に、「世界を救ってくれ」と依頼された。 しかしそれは容易な事ではない。かなりの危険を伴う。 しかも行かなくては人類が滅亡する可能性がある。 じゃあ、行くしかねぇじゃないかよ。 「漸の気持ちはよく解っているつもりだ。 でも、私がどうこうできる問題ではない。」 綾瀬の言葉がとても冷たく感じた。 「…だけど、できる限りの手助けはしようと思う。」 …ん? 手助け? 俺の問題を手助けする? ……どういう事だよ。 「何、今にわかるさ。」 ………? 綾瀬の言ってる事がよくわからない。 「漸、明日、炎狼牙に気持ちを伝えるんだろう?」 「ああ。」 「なら今日は早めに寝ておいたらどうだ?」 「ああ。 ……そうさせてもらうよ。」 俺はそういうと、窓から俺の部屋に戻った。 綾瀬は、何かを考えているらしい。 何かはわからないけどさ。
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