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どこかの国の科学者の一人が地球という星での生活に飽き飽きしていた。
そんなある日、一つの結論にたどり着いた。
「そうか、私の力で違う世界をつくればいいんだ!」
かくして、この科学者の提案で研究所の科学者全員が、違う世界を創造することとなった。
しかし、ある問題にぶつかった。
やはり地球とは異なる新しい世界を創造する事は容易ではない。
そこで、ある方法を思い着いた。
「そうだ…データにしてみようか…。」
確かに本当に何もない状態から全く新しい世界を創るには、経費と時間がかかりすぎる。
コンピュータの中にその世界のデータを作って、その世界に入れるようにしたら…。
その思想を基に、新しい世界の創造に着手した。
そして数年後。
遂に新しい世界の基礎が完成した。
その世界は、地球上に存在する異なった世界ということで、「もう一つの地球」と名付けられた。
この世界は、地球に存在する転位装置に入り、その人物をデータに変換、そしてもう一つの地球に転送する、というものだった。
初めはもう一つの地球を創る事を提案した科学者のみが立ち入っていたが、興味本位からもう一つの地球に入る人が増えた。
しばらくして、立ち入る人間が増えたため、世界の容量が限界近くまで達してしまった。
そこで、立ち入る人間達に「どんな世界に居たいか」という集計をとり、その人間の要望通りの世界を沢山創造した。
もう一つの地球は「アナザーオブアース」という名称に変更され、思い通りの世界がある「楽園」と化していた。
しかし、光あるところに闇があることを忘れてはいけない。
ある旅の一行の一人が強大な闇の力に染まってしまい、星一つを軽く吹き飛ばす程の力を手に入れてしまった。
その者の名は、テトラ=ルクシエール。
絶大な力を手に入れたテトラは、さまざまな世界を渡り、アナザーオブアースの住人達の「楽園」に存在する「世界の鍵」を次々と破壊していった。
テトラのクルーだった二人が激闘の末、テトラを自らの身を呈して封印した。
今現在も半永久の眠りについている。
今現在も転位装置は地球のあちこちに設置されているが、現代人は興味を示さず、殆ど忘れ去られている。
アナザーオブアースは知る人ぞ知る世界。知らない人は何も知らない。
アナザーオブアースの存在も、光と闇も知らない少年がアナザーオブアースを揺るがす事になるとは、アナザーオブアースの住人もその少年も知る由がなかった。
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