ep.01:地球

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そこで目が覚めた。 ……いまいちパッとしない夢だ。けれどしっかり網膜に焼き付いてる。 テトラが俺に幻滅してたな。 よかった。 ……のか? いくら俺が弱かろうが、テトラが俺に幻滅しようが、テトラを止められるのは俺しかいない。 夢の中でテトラは俺に言った。 「殺す価値もない」って。 なんでか腹が立った。 俺が弱いのはわかってるさ。 キンなのもわかってるさ。 けどあの言い方はないだろうよ。 「殺す価値がない」イコール「生きてても死んでても変わらない」と言う事だと俺は解釈した。 テトラがそう言って居なくなった時、確かに俺は安堵した。 けどいざ目覚めて考えてみると、 やたら腹が立つ。 悔しい。 いくら夢の中の話とは言え、本当に腹が立つ。 俺はその時に気付いた訳だ。 昨日までは行きたくねぇとか思ってたのに、 今はテトラに俺の力を見せ付けてやりたいと思っている。 あれ…? 俺は向こうに行きたいのか? ……。 なーんだ…「覚悟」ってこんな簡単に決めれるのかよ。 俺、何であんなに悩んでたんだ? こんなに簡単だったのに。 アホか。 …いいじゃん。 行ってやろうじゃん。 テトラだか何だか知らないけど、止めてやらぁ。 俺を馬鹿にした事、後悔させてやろうじゃん!
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