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｢主よ。これから、こちらの世界へ転送する。｣
おうよ。望むところだ。
｢一度ユーザーの画面に戻す。主の名前があるはずだ。それを選択してくれ。｣
りょーかい。
画面はユーザー選択の画面に切り替わった。
俺はユーザー名を見た。
俺の名前、俺の名前、っと…。
…ん？
んん？
俺の名前を見つけた。
俺はクリックする前に、前後のユーザー名を見た。
まず、上。
｢Shinzaki Sae｣
そして、下。
｢Shinzaki Rei｣
…冴と…母さん？
なんで二人の名前があるんだ？
……。
あれ、母さんの下にも知ってる名前がある。
｢Hasumura Ayase｣
綾瀬…？
やっぱりな。
綾瀬は向こうの世界の事を知ってたんだ。
俺はまた色々考える事が増えた気がする。
｢どうかしたのか主よ。｣
炎狼牙の声が聞こえた。
｢いや…なんでもない。｣
けれど今は考えてる場合ではない。
俺は｢Shinzaki Zen｣と書かれたユーザーをクリックした。
デスクトップの画面に切り替わった。
デスクトップにはアイコンが二つ。
一つは｢Data｣という名前のフォルダ。
もう一つは｢Another of Earth｣と名の付いたアイコン。
｢主よ、Another of Earthのアイコンをクリックしてくれ。｣
わかった。
俺はカーソルをAnother of Earthのアイコンに重ねた。
そして、クリックを力強く押した。
モニターが光輝いた。
次の瞬間、俺の身体と意識は、地球上から消失したわけだ。
真崎漸こと俺。向こうの世界へ転送完了…
ってか。
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