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そこは、研究所みたいな所だった。
ビーカーやらフラスコやら試験管やらが見渡す限り置いてあって、
フラスコの中の液体がコポコポと音をたてている。
俺は、さっきまでいたはずの炎狼牙がいないことに気付いた。
「あれ? 炎狼牙?」
頭に響く重い声が聞こえる。
「我は今の主の力では狼の姿ではいられない。 まずはリティアに会って話を聞いてくれ。」
…了解。
一瞬寂しいような気がしたが、頭ん中にいてくれんならいいや。
まぁ、その後に炎狼牙の声はしなかった訳だが。
俺はとりあえず今居る部屋から出ることにした。
まずはリティアって人に会うんだっけ…?
俺が扉の前に立つと、ご丁寧に自動で開いてくれた。
さすがはパソコンの中。
なんでも最先端ってか?
俺の見た感じ、レトロな物は一つもなさそうだ。
推測だけどね。
何処に行くかわからんな…。
とりあえずは歩いてみよう。
研究所の中を歩いていると、床以外全部が硝子張りになっている通路に出た。
上から下の様子が伺える。
何やってんだありゃ…?
下では研究員全員が金属製らしき札と向き合っている。
理解不能だ。
何の為にやってるのかはわからんが、
理解不能だ。
俺は下の部屋の様子は気にしない方向で、先へと急いだ。
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