362人が本棚に入れています
本棚に追加
その日、私はいつもと同じようにレオンと楽しく飲んでた。
前日ムカつく事あったけどその時には忘れてた。
昔から時間が経つとおさまる単純なタイプだから、こうゆう時揉めなくて済む。
だけど、ラスト間近になってレオンと2人になった時。
『ぷにぷに』
レオンにわき腹を触られてた。
「ちょっと!」
私は慌ててレオンの手を掴んだ。
“何すんの!この子は!…照れるじゃん…てか恥ずかしい…肉…思いっきり『ぷにぷに』っていったよ…”とか思ってるとレオンがにやけながら、
「ぷにぷにっていった。メタボ(笑)?」
て…。
その瞬間前日の苛立ちとわけのわからない悲しさが甦ってきた。
“また言ったよ、コイツ。ぷにぷには許せるけど…メタボって…太ってるって言いたいわけ…?”
なぜ出そうになるのかわからない涙を必死に堪えて笑って応えた。
「もぉー!やめてよ!」
それが精一杯だった…。
その日はアフターする気分にもなれず、1人店を後にした。
タクシーに乗った瞬間、我慢していたものが込み上げてきた。
涙が止まらなかった。
悲しくて。
何が悲しいのか…。
今までそんなことで泣いた事がなかったから。
最初のコメントを投稿しよう!