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その日、私はいつもと同じようにレオンと楽しく飲んでた。 前日ムカつく事あったけどその時には忘れてた。 昔から時間が経つとおさまる単純なタイプだから、こうゆう時揉めなくて済む。 だけど、ラスト間近になってレオンと2人になった時。 『ぷにぷに』 レオンにわき腹を触られてた。 「ちょっと!」 私は慌ててレオンの手を掴んだ。 “何すんの!この子は!…照れるじゃん…てか恥ずかしい…肉…思いっきり『ぷにぷに』っていったよ…”とか思ってるとレオンがにやけながら、 「ぷにぷにっていった。メタボ(笑)?」 て…。 その瞬間前日の苛立ちとわけのわからない悲しさが甦ってきた。 “また言ったよ、コイツ。ぷにぷには許せるけど…メタボって…太ってるって言いたいわけ…?” なぜ出そうになるのかわからない涙を必死に堪えて笑って応えた。 「もぉー!やめてよ!」 それが精一杯だった…。 その日はアフターする気分にもなれず、1人店を後にした。 タクシーに乗った瞬間、我慢していたものが込み上げてきた。 涙が止まらなかった。 悲しくて。 何が悲しいのか…。 今までそんなことで泣いた事がなかったから。
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