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「ずっとウィズを待ってたみたいだぜ?」
ロックがからかいながら吹き出しそうになったところを我慢していた。
ウィズは頬をかきながら自分の荷物からタオルを取り出して瀬漣の膝にかけてあげた。
レンフィーは一瞬ウィズを見たが、挨拶をしてけずくろいを再開した。
「そういえばさっき夕食だよってスィフィさんが呼びに来てましたよ?」
「ああ、それならさっき聞きましたよ」
「行かなくていいのですか?」
トキハが瀬漣を横目で見て聞いた。
「いや、でも……」
「はいはいわかってるよ」
ロックが無理やり割り込むようにウィズの言葉を切った。
「瀬漣が起きるまで待つんだろ?スィフィには俺から伝えておくよ」
「待っててくれたんだから帰るわけにはいかないからな。スィフィには先食べててもらうように行ってくれ」
ロックは返事のかわりに親指を立てた。
「では、私達はお先に失礼しますね?」
そう言って二人は帰る振りをして木陰からウィズを観察し始めた。
「さて……どうしよう……」
ウィズは起こすか起きるまで待つのか迷っていた。
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