つまらなくも楽しい日常(ウィズ)

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倉庫整理は以外と時間がかかった。知らない間にいろんなものが増えていたりする。誰が入れたのか大体の検討がつく。 ウィズの家族にはフォディムと言う名前の放浪癖を持つ弟がいる。 いろんな職についてるようだったが、最近は魔法のエキスパート、ウィザードに落ち着いたと聞いている。 ここ数日、家に帰らず放浪しているから実際のところ今も続いているか分からないが、収集品を見るところ、続いているとは思う。 地面に置物のように微動だにしなかったフェシムクルが何かに反応してその半透明に見える体を揺らした。 「ウィズー夕食の用意ができたから早く来るんですよ?」 そう言って倉庫を開けたのは補充を頼んだ本人、スィフィだった。 スィフィが開けたとき、外が紅く染まって黄昏時を意味していた。 「わかった。すぐ行く」 スィフィはその言葉を聞くと倉庫を後にした。 ウィズは売る物をカートにしまい、倉庫をでた。 「少し南に寄ってみるか!」 「しかし、主よ。スィフィ殿が夕食の知らせを……」 「少しくらいなら大丈夫だ。誰もいないならすぐ帰るって」 その言って南と言われる溜まり場に歩き出した
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