3幕 ③拾い虎

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 洛陽(らくよう)。  漢の中枢が置かれている、今でいう首都である。  その一角で、金髪の少年がナンパをしていた。  「なあ、卞賁(べんほん)、いいだろ?」  相手は城下町の茶屋で働いている純朴そうな少女だ。ちらりと少年の方を見ると、ふいっとそっぽを向いた。  「曹様、おからかいにならないで下さい。私のような下女を相手になさるはずがありませんわ」  「おいおい、オレを誰だと思ってる? その辺のお坊ちゃんとこの曹操を一緒にしないでくれ」
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