始まりは…

2/11
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
太陽の日差しを浴びてジリジリと熱くなった地面が冷め始める頃、学校では授業の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。 JR新横浜駅を最寄りとして建つこの学校は、一般家庭では入る事が困難といわれる女子高校、お嬢様学校と呼ばれるものだった。 会社の社長娘が生徒の大半を納めているが『個性を豊かに!』を基準に校則が決められているため、制服以外の髪型やファッションなどは校則に入っていない。 なので、流行ファッションで登校している生徒も少なくない。 しかし、エスカレーター式の私立女子高校というだけで、周りの学校からは一目置かれている。 暫く経つと、校舎から授業を終えた生徒達が出てきた。 白いYシャツと紺色のスカートというシンプルなデザインだが、左胸にある『私立神鳥女子高等学校』の紋章である『神鳥』のマークがあるだけでブランド服のように見えてしまう。 校門を通り下校して行く生徒達の横に、不思議な二人組がいた。 今まで学校取材などで、色々な人達が校門の前で待ち伏せしている事はあったが、今回の二人はいつもの人達とは違っていた。 一人は帽子を深くかぶり、もう一人はサングラスを掛け、二人とも顔を隠しているようだった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!