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カラリと晴れた空には入道雲。
全校生徒が一斉に集う体育館は天然のサウナのようで、ともすればステージの上の校長がぼやけて見えるほど。
プログラムは滞りなく進行して、いつの間にか校歌が終わり先生が入れ替わっている。
響き渡るセミの唄にも勝る、生活指導の長ったらしい「心得」を切り抜ければ後はもう、夏の休暇は私のモノ。
体育館から飛び出した私は、清々しいのにじめっとしている初夏の陽気に向けて。
ニヤリと一つ笑みをこぼした。
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