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……なんか、釈然としないんですけど。
『いいか、1回言ってもらうたびに、オレのこのビロビロが太くなるらしい』
ビロビロというのは、体を繋ぐ糸のことを言いたいらしい。
指で糸を挟みながら、ユージが続ける。
『頼んだ、チサ』
どこまでも、胡散臭い。
やっぱり夢か何かじゃないのかなぁ、なんて思いつつ、私はユージの体を見つめた。
本当に、どこの女と会ってたのか、目が覚めたら真っ先に問い詰めてやる!
「愛してる」
憮然とした表情で、そう呟いた。
これでユージの糸が……って、あれ?
何も変わらない?
『はあ!? チサ、ふざけてる場合じゃないんだぞ!』
「……わ、わかってるよ!」
んー、感情をこめていわないとダメなのかな?
ゴホン、と咳払いをして。
「あ、愛してるよ、ユージ」
チラッ、と糸を見る。
……あれ?
「変わらない?」
どうして!?
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