家族

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 心の中で冷え切っていた何かが、急速に燃え上がっていく。    傍にいてあげられた?  そんな奇麗事なんて、私はいらない。  だってお姉ちゃんは、いつだっていて欲しいときにいてくれなかったじゃない。  お父さんとお母さんがいなくなって、泣きたい時。お姉ちゃんはいつだっていなかった。  学校から帰って私を待っていたのは、いつだってひんやりと冷たくて暗い部屋。  電気をつけたって、部屋は明るくなっても誰の声も聞こえない。  昨日まで何もなくても暖かかった部屋は、あの日から一度も温もることはなかった。  いつまでも子供じゃない。私を養うためにお姉ちゃんが大変だったことなんて、十分わかってる。    それでも、あの孤独を癒してくれたのはお姉ちゃんじゃなかった。    お姉ちゃんじゃなかったのに! 「傍にいて欲しいのは、お姉ちゃんじゃない!」  ユージだけ。  そうだ、私にはユージだけいればいい。  それなのに、ユージはいなくなる。    そうだ、お姉ちゃんが悪いんじゃない。  ユージはお姉ちゃんに会いに行って……。 「ユージは、お姉ちゃんに会いに行って、事故にあったのに……!」
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