7354人が本棚に入れています
本棚に追加
心の中で冷え切っていた何かが、急速に燃え上がっていく。
傍にいてあげられた?
そんな奇麗事なんて、私はいらない。
だってお姉ちゃんは、いつだっていて欲しいときにいてくれなかったじゃない。
お父さんとお母さんがいなくなって、泣きたい時。お姉ちゃんはいつだっていなかった。
学校から帰って私を待っていたのは、いつだってひんやりと冷たくて暗い部屋。
電気をつけたって、部屋は明るくなっても誰の声も聞こえない。
昨日まで何もなくても暖かかった部屋は、あの日から一度も温もることはなかった。
いつまでも子供じゃない。私を養うためにお姉ちゃんが大変だったことなんて、十分わかってる。
それでも、あの孤独を癒してくれたのはお姉ちゃんじゃなかった。
お姉ちゃんじゃなかったのに!
「傍にいて欲しいのは、お姉ちゃんじゃない!」
ユージだけ。
そうだ、私にはユージだけいればいい。
それなのに、ユージはいなくなる。
そうだ、お姉ちゃんが悪いんじゃない。
ユージはお姉ちゃんに会いに行って……。
「ユージは、お姉ちゃんに会いに行って、事故にあったのに……!」
最初のコメントを投稿しよう!