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ユージの耳になじんだその低い声は、静かな病室に響く代わりに、直接私の胸に響く。
「……ユージが?」
私のことで?
それなら、私だってお姉ちゃんと同罪だ。
『だから、事故にあったのは誰のせいでもない。オレが悪かったんだよ』
謝れ。
と、ユージがもう一度言った。
どうしよう。気分が悪い。
頭が痛いのか、胃が痛いのか、何が何だかわからない。
悪意がそのまま自分に返ってくる。
『チサ』
「チサ」
2人が揃って名前を呼んだところで、私はたまらなくなって病室を飛び出した。
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