愛してるを三回

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『おい!』  見れば、半透明ユージが愕然とした顔で私をみてる。  あ、あれ? 「も、もう一回!」 『心からだぞ!』  わかってるんだけどなぁ。  囁いてみたり、身ぶり手振りを加えてみたり、劇団風にしてみたり、物真似しながら言ってみたり。  色々試してみたけど、やっぱりダメ。 「私、ユージのこと愛してないのかな……」  そんなわけないと思うんだけど。 『もういいよ、チサ』  あ、心なしか糸が細くなってる気がする。 『お前の気持ちはよくわかった』  わざとらしく白い壁を叩きながら、ユージがぼやいた。  もちろん幽体離脱中なので叩けてないんだけど。 「だから、何かの間違いだって」 『オレのこと、愛してないんだろ』 「だからっ」 『いいよいいよ、もう』  あーもう!  いじけないでよ!
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