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「ユージくんは、あなたが出て行ったあとも、チサは元気だって何度も連絡をくれたわ。そんなユージくんだから、あなたを任せられると思った」
そういえばユージ、一緒に暮らし始めてからよく携帯で写真とってたよね。
いつもふざけた時にとるから、よく私が怒って。
それでもどの瞬間も、私は心からの笑顔だった。
「あなたと同じ、ユージくんは、私とってかけがえのない大切な家族だわ」
かけがえのない。
大切な。
ふいに気づいて、私は顔を上げた。
「ユージを愛してる?」
突然の問いかけに、お姉ちゃんは少しだけ間を空けた。
けれど、迷うことなく言葉を返してくる。
「当たり前でしょう。私の……、大切な弟になる人なんだから」
涙を止めることなく、けれど笑顔を作って、お姉ちゃんは言った。
「愛しているわ」
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