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どこを探しても見つからなかった繋りは、こんなところにあった。
見落としていた、なんて言わない。最初から目に見えないものなんだから。
ただユージが、人を大切に思った結果がここにあった。
だけど、それなのに。
「……ユージ?」
お姉ちゃんの言葉とともに、命を繋ぐ紐は確かに太くなった。けれど、ユージの姿は薄くなるばかりで。
「ユージっ」
消えてしまう。確かにそこにいるとわかるのに、瞬きの度に見えなくなっていく。
嫌だ、だって。
あと1人なのに。
「もうちょっと、もうちょっと待って!」
必ず、あと1人連れてくるから!
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