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「私、ちゃんと、本当にユージを愛してるよ!」
本当に、本当なのにっ。
叫びすぎて、声が喉に引っかかって思わず咳き込んでしまう。
ユージは、それをみて心から困った顔で無理に笑った。
『わかってるって、ちゃんと』
周りが、ひどく騒がしい。それでも、私にはユージの声しか聞こえない。
『オレ以上に、お前の面倒見れる奴なんて、たぶんいないと思うけどさ』
「ユージ……っ」
『お前のそのバカなとこも、一直線なとこも、ちょっと腹出てるとこも、全部ひっくるめてちゃんと好きになってくれる奴はきっといるから……』
涙が止まらない。
ユージが見えない。
『…………それでも、やっぱりオレがお前を幸せにしたかったなぁ』
幸せになれよ、ごめんな。チサ。
そう言ったユージの声さえ、もう聞こえなくなってきて。
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