伝わってる?

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☆★☆ 「ありがとうございました」  お世話になった方々に丁寧にお礼を言って、病院を後にした。  まだ、少し日差しが痛い。それでも空からは入道雲が消え、秋を匂わせる日本晴れが広がっている。  少しばかり暑さを誤魔化してくれる緑道を選んで歩く。  ――私たち、2人で。 「本っ当に、人騒がせなんだから!」  あれから、あの日から。  少し日が過ぎて、ようやく元気を取り戻した私が言えば、日の光の下でユージが笑った。 「悪かったって」  すっかり慣れた松葉杖を片手にするユージは、私の隣にいる。  ちゃんと、生きて。 「……まあでも、不思議な体験だったよな」  ユージが少し遠い目をしてそんなことを言ったので、つられて私も思い出してしまう。
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