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ユージの意識が戻って、目が合った瞬間、私たちは同じことを聞いた。
『覚えてる?』
と。
2人で同じ夢を見ていたのなら、それもいい。ただ確かな現実として、ユージのお母さんも、私のお姉ちゃんも、そこにいて。
夢でも幻でも、私たち2人にとっては忘れることの出来ない24時間だった。
「でも。そりゃ確かに私はユージの浮気を疑ったけど、別に最初に言ったときと気持ちに違いはなかったと思うんだけどなぁ」
歩きにくそうなユージにあわせて、ゆっくり進む。
なるべく寄り添って、体温を感じられるぐらいに近づいてそう言えば、ユージは照れたように私の髪に触れた。
「……オレさ、お前が走り回ってるとき、色々考えたんだけど」
「ん?」
「問題は、オレにあったんじゃないかって思うんだよな」
……どういうこと?
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