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「上手くいえねぇんだけど、愛してるって気持ちを、ちゃんと受け止められなかったって言うか……」
どれだけたくさんの愛を注いでもらっても、伝わらなければ意味がないんじゃないか。
下手くそに言葉を選びながら、そんなことをユージは言った。
結局私たちはどこまでも他の人間で、愛がそこにあっても、信じて認め合わなければ伝わらない。
もちろん神様はここにいないので、正解を貰うことはできないんだけど。
それでも結局はユージが人を愛せたから、愛してもらってここに生きている。
私にはもう、その事実だけで十分。
「……まあ、何にしろ、これからだよな」
「そうだね」
お母さんは、ユージの意識が戻るとすぐに一度家に帰ってしまった。
きちんと家族と話し合って、必ず会いに来るそうで。
お姉ちゃんとも、結局まだちゃんと話せてない。
すぐには仲直りなんて出来ないだろうし、時間はかかると思う。
まだ、何もかも始まったばかり。
でもきっと大丈夫、私達はここに立てること大切さを知ったから。
この、スタートラインに。
そう。私と、ユージも。
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