愛してるを三回

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「お母さんには、会えたの?」  私の質問に、ユージはすぐには答えてくれなかった。  迷うような素振りをみせてから、口角を持ち上げた。 『会ったよ。誰だ、知らないって言ってた。だから、無駄だと思うけどな』  そんな……。  全然、知らなかった。 「何で言ってくんなかったの」 『だから、黙ってて悪かったって』  私は、ギュッと紙を握りしめた。  ユージのことを捨てたお母さんに、私の気持ちが負けてるわけ無いとおもうけど、今はそれしか縋るものがない。 「取りあえず、行ってくる」 『チサ』  自分の荷物を抱えて背中を向ける私を、ユージの声が呼び止めた。 『たぶん、無駄だと思う。だから、お前は何も気にするなよ』    ユージは、優しい。  その言葉に頷いて、私は病室を飛び出した。    時間は無い。  ユージを救うため、走れ私!
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