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そっか……。きっとパニックで、頭が変になってるんだ。
『おい、チサ』
だって、こんな状態のユージが喋れるわけないもんね。
『無視すんなよ!』
早く目をさまして、ユージ。
『おい、チサ! 腹やせろよ』
「ほっときなさいよ!」
ふいに聞こえた悪口に、私は思いっきり反応して顔をあげた。
そして、呆然と目を開く。
あり得ない……、どうして?
「ユージ」
『お前、本当に腹の肉に敏感だな』
余計な言葉を続けるのは、やっぱりユージだった。
ただし、体から細い糸のような物で繋がって浮いている、半透明な姿の。
「きゃ」
『きゃ?』
「きゃあああああああっ!」
あまりの出来事に、私は大声で叫んで、腰を抜かして尻餅をついた。
『お、おいチサっ。大丈夫か!?』
あんたが大丈夫か!?
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