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「……取りあえず、どうなってるのか聞いてきます」
そう言って、ユージのお母さんは駅員さんの方へ走っていく。
サンダルで駆け出していくその後ろ姿に、私は頭をふって立ち上がった。
しっかり、しっかりしろ! 私っ。
私が諦めたら、何もかも終わってしまう。
ユージを助けたい。
……それに、この人をユージに会わせたい。
取るものも取らずに、サンダルで来てくれた。
それでユージの20年近い孤独が埋まるわけではないだろうけど。
それでも、ユージの為に走ってきてくれる人がいるんだって、教えてあげたい。
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