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頭に浮かんでは消える嫌な想像にまた挫けそうになったとき、ずっと俯いていたユージのお母さんが口を開いた。
「ユージは……」
「え?」
その声があまりに小さくて、思わず聞き返してしまう。
ただそれを特に気にするでもなく、まるで独り言のように、ユージのお母さんは続けた。
「ユージは、私が16歳の時の子供でした……」
……通りで、若いと思った。
とは言葉にせずに、小さく相づちをうつ。
「当時付き合っていた、同級生の恋人との子供でした。周りには反対されたけど、私はこの子を1人でも育てるんだって……子供だったんです」
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