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ユージは……、エビフライ大嫌いなんですよ。
子供の頃は、好きだった?
……たぶん、ユージはお母さんが作るエビフライが好きだったんだ。
「後悔しない日はなかった……。それなのに、私はまたあの子を突き放してしまったんです……」
病院で、お母さんのことを話してくれたユージを思い出した。
傷ついた顔をして、それでも私を気遣ってくれたユージを。
「怖かった……、祐司を捨てて家庭を築いたことを責められるのが。家族に、子供を捨てた親だと知られるのが……。やっと築いた家庭が壊れるのが……。だから、また私は逃げたんです」
祐司から、と消え入るような声でお母さんは言った。
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