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「ユージ……?」
私は腰が抜けたまま、這うようにユージに近づいた。
『おう』
「なんで……、幽霊になっちゃったの?」
『アホか! まだ生きてるっつの』
いや、本当はやっぱり幻覚なのかもしれない。
目を閉じたり開いたり、手で擦ってみたりするけれど、やっぱりユージが浮いている。
『なんだ……幽体離脱ってやつか?』
「はあ!?」
ありえない!
やっぱり頭がおかしくなったんだ、私。
安定剤貰おう。
『まあ、いいからチサ。オレの話を聞け』
混乱する私を宥めるように、ユージが言う。
私は、まだ半信半疑のまま、声を聞いた。
たぶん、幻覚でもよかった。
元気な姿のユージがみれるなら。
『オレは、死ぬはずじゃないんだよ』
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