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「中学生の時に亡くなって……、辛くて壊れそうだった私の傍に、何も言わずにいてくれたのがユージでした」
それがどれだけ暖かくて、私を救ってくれたかわからない。
「もしあの時にユージがいてくれなかったら、私はもう心から笑うことは出来なかったと思います」
ユージのお母さんは、ただ目を大きく開いて私の話を聞いている。
私は、きっとこの人を許せない。ユージが許したって、私だけは一生許さない。
あの優しいユージに、深い心の傷をつけた人。
その傷が完全に癒えることはないと思うから。
……それでも。
「ユージに会えて、本当によかった。彼を産んでくれて、ありがとうございました」
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