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そう言って、深々と頭を下げた私にはユージのお母さんの表情はわからない。
確認するのは、少し怖かった。
だからその格好のまま、言葉を続ける。
「きっとユージも同じ気持ちで感謝しています」
……伝えられただろうか。
次は出来れば、ユージの口から、ユージの言葉で伝えられますように。
祈るように心の中で呟いてから、私は顔をあげた。
ユージのお母さんは、顔を覆って泣いている。
そして横たわるユージの手を握った。
「祐司、あなたに伝えなきゃならないことがあるの。目を覚まして、お願い」
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