いつかの約束

13/17

7354人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
 少しうつ向いて話を聞いていた私は、その言葉にはっと顔をあげた。 「何の償いにもならないけど、ただそう伝えたかった……」  心臓が、飛び出てしまいそうなぐらい脈打っている。  言ってくれた!  ユージを見れば目があって、同時に命を繋ぐ糸をみた。 「あ……」  頼りなく、すり切れてしまいそうだった糸が、淡く光ながら膨らんでいく。  ほっとしたのか、驚いたのか、私はたまらずその場に座り込んだ。 『これで……、1人か』  ユージは喜んでいいのかどうか複雑な顔をして、そっと笑った。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7354人が本棚に入れています
本棚に追加