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少しうつ向いて話を聞いていた私は、その言葉にはっと顔をあげた。
「何の償いにもならないけど、ただそう伝えたかった……」
心臓が、飛び出てしまいそうなぐらい脈打っている。
言ってくれた!
ユージを見れば目があって、同時に命を繋ぐ糸をみた。
「あ……」
頼りなく、すり切れてしまいそうだった糸が、淡く光ながら膨らんでいく。
ほっとしたのか、驚いたのか、私はたまらずその場に座り込んだ。
『これで……、1人か』
ユージは喜んでいいのかどうか複雑な顔をして、そっと笑った。
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