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「約束?」
思わず聞き返すと、お母さんは小さく頷いた。
「この指輪、私が母から貰ったものなんですけど……。もし祐司に結婚したい人が出来たら、これをあげるねって」
そう言って指輪を差し出してくれるけど、私には受け取ることができなかった。
「そんな……、でも私、ユージから一度もそんな話を聞いたことがなくて」
そうだよ。
ユージとはもう随分一緒にいるけど、結婚なんて話をしたことはない。
そりゃ……、いつかはって私は思ってたけど。
「受け取ってください。あなたに預けておくのが、一番正しいと思うから」
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