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「……ダメだ、ユージ」
後悔、しないわけない。
もしユージが死んでしまったら、どっちを選んだって後悔するに決まってる。
「私は、ユージと一緒にいたい」
『だから』
「いまだけじゃなくて、これからも、ずっと」
カバンの中の、古びた指輪。
それが、私に力をくれる。
「私は、絶対にユージを助ける」
だから、信じて。
それは、言葉にしなくても伝わったはず。
『……10時だぞ』
「わかってる」
針は迷いなく時間を刻む。
時刻は今、4時過ぎ。
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