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「取りあえず、全員に当たってみる!」
だってもう、それしかない。
ユージは私を止めようと腕を伸ばすけど、それが空振りすると同時にため息をついた。
『ほんとに、無駄だっつの』
呆れた声には、確かに寂しさが詰まっていて。
「……本当にダメだと思ったら、ちゃんと帰ってくるから」
『8時』
「え?」
『8時までやって駄目だったら、帰ってこい』
ふと、時計を見る。
あと約4時間。
「わかった」
力強く頷いて、私は携帯を握りしめた。
あと2人、必ず連れてきてみせる。
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