絶望だらけのパンドラ

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  『……ユージか? こんな時間にどうした?』  息の詰まる、ひどく長く感じるコール音。  それが止むと同時に、その声は聞こえた。 『何かあったのか?』  そして聞こえてきた反応は、今までのものとは明らかに違う。 「あの、私、ユージの知り合いで」 『え!? あれ、もしかしてチサちゃん!?』  ユージから聞いてるよ! という明るい声に、私は胸が熱くなるのを感じた。  バカユージ!  ちゃんと友達いるじゃない! 『どうかした? ユージに何かあったの?』 「あの実はユージ、昨日事故にあって」  意識不明なんですと続ければ、まじで!? と叫ぶ声が聞こえた。
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