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腕をくんで、ユージの言葉を頭のなかで復唱する。
なるほど。
3人に……、心から。
「って無理じゃん!」
少しだけ考えたあと、私は容赦なく突っ込んだ。
『失礼だな、お前は!』
「だって、ユージ私以外にほとんど繋がり無いじゃん!」
ユージは、5歳の時に捨てられた、施設育ちだ。
『愛してる』なんて、たぶん一度も言われずに育ったに違いない。
「だからせめて友達ぐらい作れっていったじゃない!」
『アホか! オレにダチと縁切らせたのはお前だろ!』
「あんなの友達じゃないよ!」
出会った時のユージを思い浮かべて、私はギュッと強く拳を作った。
あまり、思い出したくはない。
喧嘩に薬。私が知らないだけで、他にも手を出してたかもしれない。
ユージを悪い方へ連れていく仲間と、泣きついて別れてもらったのも、随分昔のことになる。
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