絶望だらけのパンドラ

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 一歩進むたびに、濡れた体が重たくなる気がした。  何も考えたくなくて、ただ足の向くままに行く。  そうやってどれくらい歩いたのか、気がついた時には、私は家に帰ってしまっていた。  何だか、もう何日も帰ってなかったような気がする。  電気をつけて、玄関で靴も脱がずに倒れ込んだ。  もう、このまま寝てしまいたい。  携帯を取り出して時計をみると、6時前になっていた。  ただただ、涙が溢れる。  ごめん、ごめんなさいユージ。  諦める以外、どうしていいかわかんないの。
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