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一緒に住むようになって、1年ほど。お互いに二十歳を超えた今でも、私は時々、あの時のユージを夢にみる。
「大体、ユージって知り合いいるの?」
『お前はオレをなんだと……』
ユージの言葉を無視して思考を巡らせていた私は、ふと数時間前のことを思いだした。
「……そういえば、ユージ、女とあってたんだってね?」
そうだ。思い出した。
ユージは、よりによって女と会った帰りにバイクで事故ったんだ!
『なっ、何で知ってるんだよ!』
「友達からメールが来たのよ、信じらんない!」
やっぱり本当だったんだ!
「ユージは、浮気だけはしないと思ってたのにっ」
『はあ? なんのことだ』
この期におよんでとぼけるなんて……っ!
唇を噛んで、涙をこらえる。
元気になったら、絶対に蹴り倒してやる。
『ま、まあ取りあえず、チサ。お前が一人目だ』
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