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それがあまりに小気味良い音をさせて響いたので、私はもう声も出なくて。
ぽかんとしてユージを見ると、やっぱり言葉もなく瞬きをしている。
「どうしてもっと早くに連絡しないの!」
相変わらずお姉ちゃんは髪の毛を逆立てそうな程怒っていて。
わけもわからず金切り声を聞いていた私は、ハッと我に返ってお姉ちゃんをにらみ返した。
「お姉ちゃんに言ったってしょうがないじゃん!」
私が叫ぶと同時に、またお姉ちゃんが私の頬を叩く。
とても悲しそうな表情が、一瞬だけ視界をよぎった。
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