last two hours

16/16
前へ
/130ページ
次へ
 それがあまりに小気味良い音をさせて響いたので、私はもう声も出なくて。  ぽかんとしてユージを見ると、やっぱり言葉もなく瞬きをしている。 「どうしてもっと早くに連絡しないの!」  相変わらずお姉ちゃんは髪の毛を逆立てそうな程怒っていて。  わけもわからず金切り声を聞いていた私は、ハッと我に返ってお姉ちゃんをにらみ返した。 「お姉ちゃんに言ったってしょうがないじゃん!」  私が叫ぶと同時に、またお姉ちゃんが私の頬を叩く。  とても悲しそうな表情が、一瞬だけ視界をよぎった。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7354人が本棚に入れています
本棚に追加