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「乾杯!」
ビールの注がれたグラスが勢い良く音をたてた。
少しお洒落な洋風居酒屋に、田中裕也達五人の賑やかな声が聞こえている。
「卒業おめでとう!」
「まあ何とか五人とも、落第もせずに卒業できて良かったよ」
鈴木淳のホッとしたような声が聞こえる。
「あら、淳が卒業出来るんだから、みんな大丈夫に決まってるじゃん」
佐藤理沙が呆れながら茶化している。
某一流大学のテニスサークルの仲良し五人は、大学の卒業式の後、いつもの行きつけの少しお洒落な洋風居酒屋で卒業祝いをしている。
テーブルランプだけの店内は、なかなかお洒落な空間を醸し出しているが、男女五人の空間はロマンチックとは少し違っていた。
他のテーブルでは、恋人達がテーブルランプから浮かび上がるお互いの顔を、瞳を見つめ合い愛を囁いている中、5人は茶化してふざけあい笑いあえる仲間だった。
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