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そして彩は「声が出るようになるまでは、不自由だろうから...」と、まだしばらくは東京に居てくれる事になり、11月7日からのツアー中は、15日の鹿児島公演まで、メールだけのやり取りだけを秀一として過ごしていた。
11月15日―
久々の鹿児島はなんだか懐かしい感じがしていた。
今回、凜とは会場で待ち合わせをしていて、3人揃ってのライブはカウントダウンライブ以来だった。
この頃、私の声は出し辛いながらも、少しは出るようになっていた。
そして今回のライブは、アルバムの内容からして...聴かせる曲ばかりだった為、楽しむより聴き入るライブだった。
そんな中でも、ちゃんとノリノリでステージを動き回る曲の時に見せる、秀一の笑顔は数日間会っていなかった為か、私の中で愛おしさが増していた。
ライブ後はいつもの居酒屋へ直行して、秀一達の到着を待っていた。
「舞、ごめんね...傍に居てあげられなくて」
「もう大丈夫だよ」
「一週間後にまた東京行くからさ...一週間の間、しっかり秀ちゃんに甘えておくんだよー」
「なんかさー、彩は舞を監視するお姑か小姑みたいだね」
久々に3人で過ごす楽しい時間は、私の心を癒してくれていた。
コンコン―
ガラガラ―
「お待たせ」
「こんばんはー」
「ごめんね。遅くなって...」
3人それぞれの言葉を言いながら入って来る姿は、1人1人の性格が現れていた。
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