1723人が本棚に入れています
本棚に追加
その日実家に帰った私は、翌日秀一たちと一緒に東京へ帰った。
相変わらず、空港ではファンに囲まれる3人を見て、さっきまで身近に感じていたのに、急に遠い存在に3人が思えてきてしまい...
出発ロビーに先に着いた私は、人目を気にせずに泣いてしまっていた。
「どうしたの?」
私を覗き込むように、目の前にしゃがみ込んで声を掛けて来たのは悠斗だった。
「ううん。何でもないよ...」
「何でもないのに泣いてるの?」
「うん」
「舞ちゃん、嘘下手だよな...」
悠斗はそう言って私の隣に座った。
「悠ちゃん!こんな所に座ったらファン子とかに見られるよ?」
慌ててそう言う私に、悠斗はニッコリ笑って話し始めた。
「俺にもし彼女が出来たら、ファンの子の目なんか気にしないけどね。
まぁ、秀ちゃんはSKYの顔だし、イメージってのがあるから無理だろうけど...
でも、それで舞ちゃんが泣く位なら傍に居れば良いんじゃないのかな...
ファンの子は勿論大切だけど...それ以上に彼女は大切なんじゃない?
...って、こんな事舞ちゃんに言っても仕方ないよね。ごめんね...」
悠斗は、ファンの子達に捕まった秀一達を遠目に見ながらが話していた。
「悠ちゃん...」
「ん?」
「なんかさ...さっきファンの子に囲まれている3人見た時、すっっごく3人が遠い存在に思えたんだ」
「なんで?」
「わかんない...けど、身近に感じている人を急に遠くの存在に感じるって...」
「辛いね...だから泣いてたの?舞ちゃん。俺達、秀ちゃんが舞ちゃんを大切に思ってるのと同じ位、舞ちゃんの事大切に思っているつもりだよ?...だって身内じゃん!」
そう言ってニッコリ笑う悠斗は席を立ち、悠斗が座って居た椅子に、突然秀一が座って私に肩を組んで来た。
最初のコメントを投稿しよう!