みえない道

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それから1週間が過ぎるのはとても早く... またツアーへ行ってしまった秀一と入れ替わりで、彩が東京へ来てくれた。 「いやー。電車の乗り換え間違ったって...」 今回、初めて1人でマンションまで来た彩は、慣れない東京の地下鉄の路線に少し疲れていた。 秀一が居ない1週間の間、私と彩は東京散策をしていた。 そして彩の一言で、秀一が帰って来る前日に買い物へ出かけた。 「舞。秀ちゃんの誕生日プレゼント...そろそろ決めておいた方が良いんじゃない?」 「あっ!そうだよね...でも、今年はあまりお金ないんだよね」 「金額の問題じゃないでしょ?...って、夏休みのバイト代は?」 「全部あるよ」 「あんた、いくらの物贈るつもり?」 私は今年の誕生日にプレゼントしたい物を、去年のブレスレットを作った時に既に決めていた。 けど、コッチでも他に良い物があるかもしれない!...と、買い物へ出掛けた。 「ねー。舞!これ可愛いー」 そう呼ぶ彩の元へ行くと、ショーケースの中から何か取り出す店員は、キラキラ光る指輪を差し出した。 ― えっ? 「舞!こんな可愛いピンクが似合うのは舞くらいだって...」 そう言って、私の左の薬指に指輪をはめて来た。 「げっ!メッチャ大きいじゃん」 「彩...左手はおかしいんじゃない?」 「あっ、そうだよね。...けど、あんた指細すぎ! ...すみません、この子のサイズ見てもらえますか?」 彩は店員へそう言って、私の右手と左手の薬指のサイズを調べてもらった。 「5号って...あんた細すぎ...ってか、舞の買い物じゃないんだし...秀ちゃんの誕生日プレゼントでしょ!」 自分で言っておきながら、私の指のサイズが細い事に少しムッとしながら、私の元から離れていった。 ― 彩ぁー。なんか凛みたいだよぉ... それからも色んなお店を見てまわったけど、結局あのネックレスを越える品はみつからなかった。
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