みえない道

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そしてマンションへ帰った私達は、ソファーでゆっくりとしていた。 「彩。...私の声、電話でも聞き取れるかな...?」 「うん。もう大分出てるから大丈夫だよ?...どこか電話するの?」 「うん。聞きたい事があって...」 そう彩へ言ってクローゼットルームへ行き、パソコンの前に座り、去年ラッピングしてもらったブレスレットと一緒に渡された、オリジナルアクセサリーのチラシを取り出し電話を掛け始めた。 プルルルルルル― 「はい。○○○です」 「もしもし。あのー、オリジナルアクセサリーについてお聞きしたいんですが...」 「はい、どーぞー」 「去年ブレスレットを作っていただいて、その時チラシを貰ったんですが...」 「去年って...あの○○のブレスレットしてた子?」 「えっ?..........。」 「あっ、10万位のブレスレット...、男性用の...」 「あっ、はい。覚えていてくれたんですね」 「いやー、久しぶりだねー。俺さー、あんまり良いブレスレットだったから、あれから調べたんだよね...君が付けてるブレスレットを...」 「へっ?」 「あれね...東京の○○って有名な店で作られたやつで、今、人気の歌手が作ったって噂なんだよ!...で、金額が全然違った!...ゼロが一つ足りなかった」 「ゼロが?......えっ?」 「まぁ、それに似せて作ったヤツなんだろうけどさ...だから覚えてたんだよ」 「あっ、あのー。そんなに高いブレスレットって作れるんですか?」 「いくらでも高くなるよー。皮やシルバーの質で...」 「はぁぁ...」 「で?今日はどうしたの?しかも電話だし」 「あっ。そうだった...そのチラシに載っているネックレスをアレンジして作って欲しかったんですけど...今、私鹿児島に居なくって...どうやってイメージを伝えようかと思って...相談の電話です」 「あぁー、FAXある?」 「あっ、あります」 「じゃあ、FAXで大体のイメージを書いてくれたら、コッチでスケッチ仕上げて送るけど...」 「はい。じゃあ、直ぐにFAXしますね。ありがとうございました」 考えていたより簡単に事が運び、喜んでリビングへ戻った。
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