想い戸惑う

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想い戸惑う

 なぜだろうか  近頃なぜかあの方のことばかり考えている  護衛として共に歩く時間  夜警の間  物忌みの日  休日  全て。  常に。    いつまでもあの方と共にありたいと願ってしまうのだ。    そして……  あの方の微笑みを  あの方の優しさを  あの方の暖かさを  あの方の温もりを  あの方の御心を  あの方の全てを感じていたいと  あの方に愛されたいと……。    ……愚かな。主にこの様な想いを抱いて何になると言うのだ。  この様な想いを抱いたところで叶いはしない  ただ、邪魔になるだけだ。  心に特別な想いを抱けば  その想いは判断をにぶらせる。  判断を誤らせる。  それはあの方の命を脅かせてしまう。  消さなくては。  あの方を守るために。  …だが、それでも私は    ──あなたが好きです──……
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