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止められぬ想い(欲望)
もしかしたら私はそなたの、その光に惹かれたの知れない──
“日輪の姫”
一言で言うならそんな印象だったか
日輪のように光輝く少女…
私とは対極の…。
決して手には入らぬ光。
「―――……」
独り、迷い、舞うことしか出来なかった私を
長い間誰にも省みられなかった私の
果てしない暗闇が広がるだけだった道を
そなたは照らした
ただ、そなたがいるだけで良かった
ただ、―――と会い、話せるだけで良かった
その光が私を照らしてくれる。ただ、その事実だけで満たされていたはずだった
あの男が現れるまでは……
あの男が私の……
私の内の、“欲望”を浮き上がらせ
私はそなたを求めた
そなたの周りの全てを壊してでも
そなたを手にしようとした
理性を失うほどに愛した
この身を醜く変えてまで
たが、私は―――の泣き顔を見たくはない
―――の辛そうな表情を見たくは。
それでも私がそなたを恋う気持ちは抑えられない
―――。龍神の神子。
もう…そなたにしか頼めぬ…
止められぬ欲望を止める方法はただ一つ……。
どうか
私がそなたの大切な物を壊す前に
私を──
『封じてくれ』
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