Anniversary

7/9
994人が本棚に入れています
本棚に追加
/415ページ
久しぶりに触れる舞の髪を優しく撫でながら泣き止むのを待ち、顔を上げる舞へ謝った。 「舞ー。ごめんね」 「ううん。私が悪いの...私が秀一の事...」 「もう、何も言わなくてもいいよ」 舞の言葉を遮り、そう言った。 微笑む俺に舞も優しく笑い掛けてくれ、俺はずっと伝えたかった言葉を舞へ伝えた。 「もう二度と舞を手放したくないんだ...ずっと、傍に居て欲しい。舞ー。結婚しよう」 まだ、涙で潤む舞の瞳を見つめてプロポーズする俺に、始めは驚いた表情を見せる舞は、次第に笑顔になり、今までで一番の笑顔で返事をしていた。 「もう絶対離れないもん.........私をお嫁さんにして下さい」 そう言って、恥ずかしそうに俯く舞の左手を取り、指輪を付けてあげた。 「えっ......。ありがとう...」 舞は笑顔のまま、一粒の涙を零していた。 その舞へ告白したあの日と同じ、長い長いKissをして抱きしめた。 「おーい。いつまでイチャついてんだー。置いてくぞー」 その啓介の声のする階段の下を見ると、マネージャーの運転する車に寄り掛かり、腕組みしている啓介と...その横には、悠斗、雅人、彩、凜の皆が笑顔で俺達を見ていた。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!