2人が本棚に入れています
本棚に追加
蒸せるようなこの暑さの中、風が涼しく感じる。
今、普通なら5時間目の授業を受けている時間だろう。
だが私、瀬高葉摘は違う。
只今屋上でサボリ中。
否、それならまだ可愛らしいものかも知れない。
だって私は今屋上のフェンスの外側に立っていて、18年の歴史を自ら終えようとしているのだから。
けれどもう30分も経つのに未だ飛び降りれていない、その理由とは…
────バンッ
突然扉が開く音が聞こえ、それが風と自らの息の音だけだった静寂の邪魔をした。
「ん~っ!!やっぱサボるなら屋上だよな~!!」
声からして男の人で、サボリをしに来たようだ。
私はそれ以上の事は気にも止めなかった。
まさに今飛び降りようとしているのに、そんなつまらない事を気にする必要はないでしょう?
最初のコメントを投稿しよう!