片翼の君

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私は飛び降りる事を決意した。 ポケットから手鏡を出して髪の毛を軽く直し、姿勢を正して深く息を吸った。 誰でも自殺をする前は容姿を気にするでしょう? 「…っ!お前は愛をわかるようになる!!」 聞く耳を持たない。 もう周りの声に惑わされない。 私の決意は固い。 その筈なのに…… 「……何でよぅ…」 今更になって涙が溢れて来た。 やっぱり、どうしてもアレが私の邪魔をする。 「………瀬高さん?」 私が飛び降りると思って焦っていたが飛び降りないとわかったのか、ホッとしたようで安心した顔をして言った。 「空がね…。空が、私を邪魔するのよ…」 「青い空、大好きなの。それに、皆あそこに居るから……」 彼は黙って私の話を聞いてくれた。 私の両親、兄、妹、親友だった子は私が原因で殺された事…  
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