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はじめに
この度は拙著を手にお取りくださり、ありがとうございます。
はじめに、少しばかりうんちくを連ねることをお許しください。
〈俳句のお約束〉
一、五・七・五の定型詩
一、季題(季語)をよみこむ
一、切れ字(かな・けり・や・ぞなど)をよみこむ
対して、川柳は十七字というくくりしかありません。そして俳句から字数制限を取り払うと、自由律俳句が生まれます。
例)咳をしてもひとり
尾崎放哉
本作では、主に季語のみを入れた五・七・五の川柳を多く取り入れています。いってしまえば、俳句のなりそこないですか。(たぶん)本物もあります。
以下、解説の脚注について。(本書は解説なるものをつけております。咳をしてもひとり。これは詠み手が病床に伏せっているという背景を知ることで、より感慨深いものになります。このように短い詩句こそ、掘り下げて読む面白さがあるのです。私はそう考えるゆえ、ページを割かせていただきます)
《ぼやき》……ぼやきです。個人的な感情を含みます。
《雑学》……歌の内容とは直接関係のないことで、あえて横道にそれます。
《語義》……わかりづらい熟語などの意味です。多義語も歌の中の意味のみ取り上げる場合があります。
《解釈》……一番まじめなところです。
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