~プロローグ~ †過去†

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物心ついた頃からオトンの酒乱に怯え、酒を飲みに行って帰るくらいの時間になるとよく兄弟皆で布団に潜り寝たフリをしていたものだ。 ある時は眠りについたばかりの所を起こされて、両親の寝室に呼ばれ、言われた一言。 『お父さんとお母さんのどっちにつく?』 まだ小学校に入ったばかりのお子ちゃまに、考えて結論を出せと言う方が無理な問題だ。 『お父さんは恐いから好きじゃないけどばあちゃんとじいちゃんは好き。でもお母さんと離れるのも嫌だ』 幼いながらに頑張って考えて考えて、最後は泣く。 両親もらちがあかないから 『ばあちゃん呼んでこい』 そう言われて祖父母の寝室に泣きながら向かい、寝てるばあちゃんを起こす。 『ばあちゃ~ん、お父さんとお母さんがどっちにつくとか言う~』 声にならない声で顔を涙でくしゃくしゃにしながらばあちゃんの後ろを『現場』まで着いてく。 そしてばあちゃんが 「お前らこんな夜中に何やってんだ。もう寝ろ」の一言で終結。 そんなことが何度もあった。
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